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税理士の先生が不動産鑑定士と連携する3つの場面──相続業務で価格の専門家を使う

相続業務を扱う税理士の先生から鑑定士への連携が増えています。遺産分割の時価資料、通達評価が実態に合わない場合の検討材料、広大地や借地権など評価の難しい財産。3つの典型場面を整理しました。

著者:吉田 健人·読了 約4
税理士の先生が不動産鑑定士と連携する3つの場面──相続業務で価格の専門家を使う

相続業務を手掛ける税理士の先生から、不動産鑑定士への連携のご相談をいただく機会が増えています。もっとも、「どの場面で鑑定士に振るべきか」の線引きは意外と共有されていません。当事務所が想定する典型的な3つの場面を、受ける側の立場から整理します。

場面1──遺産分割の時価資料が必要なとき

最も多いのがこの場面です。相続税申告は路線価ベースで進む一方、相続人間の遺産分割は時価が基準です。代償金の計算や分割案の公平性の検討で「時価はいくらか」が必要になったとき、税理士の先生が路線価とは別の時価を示すのは職域の外です。

ここで鑑定士が時価資料を作成すれば、先生は申告業務に集中でき、相続人への説明にも「第三者の評価による」という中立性が加わります。正式な鑑定評価書のほか、協議の内部資料であれば価格等調査報告書という選択肢もあり、費用を抑えられます。

場面2──通達評価が実態と乖離していると感じたとき

財産評価基本通達による評価が個別の財産の実態に合わない場合について、通達自体が例外的な取扱い(いわゆる6項)を定めており、時価の立証手段として鑑定評価が用いられることがあります。逆に、通達評価額での申告が争われた令和4年4月19日の最高裁判決以降、評価と実態の乖離への関心は一段と高まりました。

ここで明確にしておきたいのは、鑑定評価の採用可否を含む申告方針の判断は、税理士の先生の職域だということです。当事務所は「この不動産の時価はいくらか」という価格の判定と、その根拠の提示を担当します。その時価を申告にどう使うか、課税庁との関係でどう位置づけるかは、先生のご判断です。当事務所から節税策として鑑定評価をお勧めすることはありません。この線引きがあるからこそ、安心して連携いただけると考えています。

場面3──評価の難しい財産が含まれているとき

広大な土地、著しい不整形地、借地権・底地、収益物件、私道や崖地。通達の補正計算はあるものの、市場実態との関係に確信が持てない財産です。想定されるケースとして、複数の借地人がいる底地が遺産の大半を占める事案では、割合計算の評価額と処分可能性を踏まえた時価が大きく乖離することがあり、遺産分割の場面(場面1)と重なって問題になります。

このような財産は、申告方針を固める前の検討材料としての意見をご依頼いただく形も可能です。正式な評価書の前に、乖離がありそうか・鑑定を入れる実益があるかの見立てをお伝えします。

まとめ

  • 遺産分割の時価資料は、申告業務と切り分けて鑑定士が担える部分
  • 通達評価と実態の乖離が論点になる場面では、価格の判定は鑑定士、採否の判断は税理士という役割分担が明確
  • 評価の難しい財産は、正式依頼の前の見立て段階からご相談いただける

税理士の先生からの初回のご相談・見立ては無料で承っています。お問い合わせからご連絡ください。費用の目安は料金のご案内をご覧ください。

免責事項

本記事は不動産鑑定評価の観点からの一般的な情報提供を目的としています。個別の税務に関する助言は税理士、法務に関する助言は弁護士など各専門家へお問い合わせください。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、最新の制度・判例等により取り扱いが変わる可能性があります。

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