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司法書士の先生が不動産鑑定士と連携する場面──相続登記の先にある「分け方」の相談

相続登記の義務化以降、司法書士の先生は相続相談の最初の窓口になることが増えました。登記の前提である「分け方」が価格で止まっているとき、鑑定士がどう役に立てるのか。連携の典型場面を3つ整理します。

著者:吉田 健人·読了 約4
司法書士の先生が不動産鑑定士と連携する場面──相続登記の先にある「分け方」の相談

2024年4月の相続登記義務化以降、司法書士の先生が相続の最初の相談窓口になるケースは一段と増えています。ところが、登記のご依頼を受けてみるとその前提である遺産分割協議がまとまっていない——特に不動産の価格で止まっている——という場面は珍しくないと伺います。価格の論点を鑑定士がどう引き受けられるか、当事務所が想定する典型的な3つの場面を整理します。

場面1──「分け方が決まらず登記できない」案件の価格の論点

相続登記は原則として遺産分割協議の成立が前提です。協議が止まっている原因が、相続人同士の感情的対立ではなく「実家をいくらとして計算するか」の食い違いであるなら、それは価格の問題であり、鑑定士が引き受けられる部分です。

中立の第三者による時価資料が入ることで協議が動き出せば、先生は本来の登記業務に進めます。正式な鑑定評価書のほか、協議の内部資料であれば価格等調査報告書という費用を抑えた選択肢もあり、事案の規模に応じて使い分けられます。

場面2──代償分割・共有解消の代償金の根拠づくり

一人が不動産を取得して他の相続人に代償金を払う代償分割や、相続で生じた共有状態の解消(持分の売買・共有物分割)では、金額の根拠が問われます。当事者の一方が持ち込んだ査定書だけで進めると、後から「安く買い叩かれた」という不満が再燃しかねません。

登記の原因となる合意の金額に中立の評価の裏付けがあることは、当事者双方の納得だけでなく、手続を担う先生にとっても安心材料になると考えています。共有持分の評価では、持分固有の減価の程度も含めてご相談いただけます。

場面3──遺産承継業務・生前対策での時価把握

遺産整理・承継業務を受任されている先生からは、財産目録に載せる不動産の時価の把握や、換価分割を選ぶ場合の売却前の価格の目線づくりについてご相談いただくことが想定されます。また、遺言作成支援などの生前対策の場面でも、「この分け方で不公平にならないか」の検証には現在の時価が必要です。

なお、役割分担は明確です。登記手続と法律事務は先生の職域、価格の判定と根拠の提示が当事務所の職域です。税務が絡む論点は税理士の先生への確認をお願いする前提で進めます。税理士の先生との連携場面は税理士の先生向けの記事にまとめています。

まとめ

  • 「価格で止まって登記に進めない」案件は、時価資料の投入で動き出すことがある
  • 代償分割・共有解消の金額に中立の裏付けを持たせることは、当事者と手続の双方を守る
  • 遺産承継業務・生前対策の時価把握も、見立て段階からご相談いただける

司法書士の先生からの初回のご相談・見立ては無料で承っています。お問い合わせからご連絡ください。費用の目安は料金のご案内をご覧ください。

免責事項

本記事は不動産鑑定評価の観点からの一般的な情報提供を目的としています。個別の税務に関する助言は税理士、法務に関する助言は弁護士など各専門家へお問い合わせください。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、最新の制度・判例等により取り扱いが変わる可能性があります。

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